2024.08.20じゅんぶろ・ほのぼのとーく
声を聞く力を得ると
こんにちは。
Edu Support Office 川上淳子です。
Photo by Pixabay
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8月16日、久しぶりに金曜ロードショー視聴。
「映画 聲の形」2016 京都アニメーション
聴覚障害、いじめ、コミュニケーションなどさまざまな課題が盛り込まれた作品でした。
一卵性双生児として生まれ、父親の仕事で転校9回の経験と、教員時代に特別支援学級3学級を担任した経験から思うところがたくさんありました。
この作品はアニメだからこそできるのか、登場人物の気持ちの機微が表現されていました。
担任の聴覚障害に対する無理解、校長の形通りの対応、子どもたちが他者をいじめる理屈と実態、障害ゆえに排斥される実態とそのときの本人と家族の感情、いじめていた側がいじめられる側になる因果応報ともいえる逆転の展開、書き出すときりがないくらいです。
その中で排斥されたときの感情は自分と担任の立場でも経験し続けていたのでよくわかりました。
言葉や行動で攻撃してくるのはまだわかりやすく、障害のある人がいないかのように振る舞い、無視する態度が本当に辛いものです。その辺りが克明に描かれていて、ちくちくと心に刺さりました。
さて、それらの行動についてアンガーマネジメントを学んだ今は、自分の価値観からはみ出したこと、それまでに経験したことのないことに対して「自分と違う」と判断していることによって起きていると理解できます。
この作品は聴覚障害を扱っていますが、登場人物の誰しもが「正常」「異常」の線引きができないくらい課題を抱えていると思えてなりません。
自分の考えだけが正しいとし、相手を否定することで生まれてくるのは「分断」です。そこに建設的な関係は生まれません。
映画の題名は「声」ではなく、「聲」。
「聲」は旧字体で、声を聞くという耳が入っている、特別な表記です。わざわざこの文字を用いたことにも作品のテーマ性が表れています。
相手の声を聞く力を得たとき、人との関わり、繋がりが生まれているということを示唆しているのではないかとも思いました。互いに存在を丸ごと受け止めることが大事なのです。
皆さまは他者の言動に対して「違う」と思ったことはありませんか。それを強く握りしめるのか、「それもあるよね」と緩められるのかで人との関わりは変わってきます。
ぜひ自分の価値観を緩めること、広げることを試みてくださいね。
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Edu Support Office
川上 淳子 | 【公式】日本アンガーマネジメント協会 (angermanagement.co.jp)
元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
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