2023.06.21子育てポケットノート

子育てポケットノートvol.321～つうっと雨粒のように～

こんにちは。

Edu Support Office　川上淳子です。

Photo by Pixabay

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6月15日、利府へ。

冷たく強めの雨の中、砂押川に沿って走行していると、加瀬沼の手前にある宮城東部衛生処理組合（ごみ焼却場）の歩道に小学生が一列に並んでいるのが見えました。きっと校外学習を終えたS小の子どもたちでしょう。

近づいて見ましたら、やはりそうでした。小学校四年生がごみ処理場を見学後、反対側の道路に一斉に渡ろうとしていたのです。教員最後の年、私も同じ場所で同じことをさせていました。

何度も渡ろうとするものの、私の前にいた2台が止まらず、それにつられて反対車線で止まった車がわずかに動き始めてしまいました。先生方、安全の確認に苦労されていました。

結局、私の車が先頭になり、子どもたちの方を見てしっかりと停車したので、動き出した反対車線の車も停車してくれました。無事に反対側の歩道に渡り終えると、子どもたちの列から、

「ありがとうございました！」

とお礼の言葉が次々と沸き起こりました。停車してくれた運転手さんにおじぎをするのもS小の伝統、ずっと継承されていました。

子どもたちの元気な声に手を振っていたところ、列の最後尾に道路の安全を確認している先生が児童の手を引いて戸惑っている姿が見えました。

一斉での移動に遅れてしまい、先生が何度も頭を下げながら渡り終えた姿が切なかったです。先生、謝ったり恐縮したりしなくてよかったのに。。

先を急ぐ理由がある運転手さんもいたことでしょう。

けれども、1台でも早く停車してあげていたら、子どもたち、1分でも早く帰校できたでしょうに。雨にさらされる時間が少しでも減ったでしょうに。。あの場所から、さらに橋を渡り、駅を過ぎ、踏切を渡り、学校まで相当歩くのです。さぞかし寒くて辛かったことでしょう。

「先生方が背負っているのは子どもたちの命。ほんの1、2分停車して渡るのを手伝ってあげましょうよ。自分や親戚のお子さんがいたらと想像しましょうよ。」

と運転手の方々に言いたかったのです。

「1、2分待つことにイラつく大人のこと、許してほしい。みんなは待ってあげられる人になってほしい。」

と子どもたちには言ってあげたかったのです。

そんな雨の日のひとこま。

こんな出来事に遭遇するのは初めてでした。人の冷たさにひりひりとし、子どもたちや先生のけなげさに切なくなった思いが心の中につうっと雨粒のように流れ込みました。一番弱い人、困っている人を思いやる余裕をもっていきたいと思いました。その姿を見せるのが子どもたちへの教育そのものですから。

その機会はふいに訪れ、私たちの人間性や道徳性をつまびらかにしていくのです。

皆さまはこのような状況のとき、どうなさいますか。

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Edu Support Office

元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員

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元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員

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