2023.06.15子育てポケットノート

子育てポケットノートvol.320～算数の核はここ～

こんにちは。

Edu Support Office　川上淳子です。

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小学校入学から2カ月余りが経ちました。

お子さんの登校、生活ぶり、学習の様子などはいかがでしょうか。元気に通学していて安心、ちょっと登校を渋って不安、友達と遊んでいるのか気がかり。。

ご両親の気持ちは一様ではないことでしょう。

さて、そのような中、算数のお話です。

小学校一年生の5月の学習する「いくつといくつ」。4時間の配当ですから、もうとっくに終わっていることでしょう。

実は、この単元は小学校の算数の核、肝だと思っています。

繰り上がりのあるたし算、繰り下がりのあるひき算は二年生の九九の習得を経て、三年生の2けた以上のかけ算、わり算へと繋がっていきます。その基礎が「いくつといくつ」なのです。

「５は２と３」、「５は４と１」というふうに数を分解できることはそれぞれの数字には補数があると理解でき、数を合成することに繋がります。そこが肝心なのです。

繰り上がりのあるたし算「９＋４＝１３」を例に考えてみましょう。

「９」を見て「１０は９と１」に分解できるとわかる→「９と１で１０だ」と合成できる→だから「４を１と３」に分解する→「９と１で１０」「のこったのは３」→合わせて「１３」。

1つの問題を解くために数字の合成、分解を繰り返して答えを出しています。特に、繰り上がりや繰り下がりの計算ができるためには「１０の補数」を覚えておくことが肝要なのです。

「計算機があるからひっ算なんてできなくていい。」

と豪語した上司がいました。上司に口答えはしませんでしたが、答えへと至る筋道が算数そのものだと思うのです。そのプロセスを省いてしまうのはもったいないことです。

この年齢になっても小学校一年生の計算の苦労を鮮明に覚えています。答えが書けなかったのに先生も親も私の悩みに手を差し伸べてくれませんでした。

そのような思いから、わが子には就学前から具体物の飴や、半具体物のブロックを使ったり、浴槽のふちや布団のはじをステージに見立てて指人形よろしく遊びながら数の分解、合成に慣れさせていました。

小学校一年生まで「１～１０」までの数をみっちりとキャッチボールし、どの数の補数も言えるようになりました。本人たちは教えられた感覚はなかったでしょう。

教室でも「いくつといくつ」は「さくらんぼ」を使って一覧表にして宿題、口頭での確認テストも行っていました。すさまじい集中力でした。担任の私も子どもたちも。。

30年以上前に実践していたことですが、21世紀の今も脈々と使い続けられているコンテンツなのですね（感心、感心）。

ここをクリアしたら、二年生の九九。それにまつわる文章題の解き方が山場です。機会を設けて発信いたします。

たかが計算、されど計算。

ある年の懇談会でお母さんが、

「子どもと歩いているときにも『５は４と』と問いかけて子どもの手を握り、子どもが『１』と答えるとき、私の手を握り返すということを続けているんです。」

と話してくれました。その光景が素敵で目に浮かびました。親子のやり取りは心の安定、学力の向上にも繋がっていきます。

子育て真っ最中の皆さまにはぜひ情報を得て、学校だけでは補えない復習、知識の定着を図る試みに挑戦してみてくださいね。

小学校低学年まで目配りしていきたいものです。その後は親御さんの知識を凌駕する能力を発揮していきます。

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Edu Support Office

元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員

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