2022.10.21子育てポケットノート

甲斐路紀行～子育てポケットノート編～

こんにちは。

Edu Support Office　川上淳子です。

Photo by pixabay

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旅行に行って子育ての観察をするのもおかしな話ですが、結構いろいろな出来事に出あいました。

１．仙台駅新幹線ホームにて

「黄色い線の内側でお待ちください」

と繰り返されるアナウンス。なぜと思っていましたら、目の前の親子連れに注意を促しているようでした。

お母さんが左腕に紙袋をかけ、右手で3歳ぐらいの男の子を抱っこ。不安定極まりないのに、しかも、黄色い線の上。。わが子に親戚を見せたい一心で新幹線に向かって体を乗り出していました。興奮冷めやらぬ様子。なぜに？

子どもを優先してしまうと客観的にものごとを見ることが難しくなってしまうのですね。

２．宿泊翌朝のホテル前にて

小学校2年生ぐらいの女の子。祖父母、いとこ家族と過ごし、駅へ向かう送迎バスに乗り込んだいとこ家族との別れが辛くて大号泣。バスの席で不覚にも、もらい泣きをした私。

教員になってから卒業式、離任式のたびに泣いていると、

「泣かない、笑って。」

と何度も言われていました。女の子の号泣を見ているうちに、感情をコントロールしようとしていた相手に反論できずに怒りを抱え込んでいたことを思い出しました。

泣いていい、怒っていい、笑っていい、どんな感情を表してもいいのに。人前で泣くのはみっともないと笑う前に、どうしてその気持ちが生まれてきたのかを聞いてほしかったのに。。

どうして私に向かって、そういった物言いができたのか。今は彼女たちにはネガティブな感情が溢れていたのではと、かえって心配になります。

女の子の号泣は発車までずっと止まりませんでした。

でも、家族の誰も否定しない、父親がそっと抱き寄せている、そんな家族に囲まれていたからこそ泣けたのでしょう。感情を出せるのは信頼の証ですね。

３．甲府駅改札前にて

小学校2年生ぐらいの男の子3人に、

「今日はね、走り回らない。ここはたくさんの人が移動するからね。」

と丁寧に話しかけていたスポ少の指導者らしき若者。かがんで子どもたちに視線の位置を合わせていて、教科書通りの対応。

その後、男の子たちは走り回らずに過ごしていました。効果のある言葉かけが素晴らしかったです。子どもたちに必要なのはなぜそうするのかの説明ですね。

もう一歩踏み込むと、どうすれば走らずに済むのかを考えさせる言葉も考えておくと、さらに小学生の子が自主的に行動できたことでしょう。上意下達では注意の回数は減りません。

子どもたちが言うことを聞かないと「何言ってもわかんないんだから」と他責にしがちです。子育てで鍛えるべきは大人側の言語能力だと改めて考えさせられました。

甲斐路は幾重にも私に問いかけ、心のひだを細やかにする機会となりました。

皆さまが見聞きした子育ての様子で気になったことがありませんでしょうか。

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元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員

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