2021.07.23子育てポケットノート
子育てポケットノートVol.228~マルトリートメント研究最新情報~
こんにちは。
Edu Support Office 川上淳子です。
Photo by Pixabay
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マルトリートメントをご存知でしょうか。カタカナ表記の事柄は海外の学術用語、難しい感じですね。髪のトリートメントからケアするイメージですが、全く異なります。マルトリートメントの定義はコチラ。
「虐待とは言い切れない、大人から子供に対する避けたい関わりのことです。子ども時代にマルトリートメントを受けていると、大人になってから心のトラブルに悩む可能性が高くなります。」(一社)日本家族計画協会HP「防ごう!まるとり マルトリートメント」より引用
このマルトリートメントに関する最新研究情報がNHKの番組で取り上げられていました。
☞脳はマルトリートメントの影響をどう受けるのか
NHK サイエンスZERO 2021.7.11(日)放送、記事の更新:2021.7.21
「“子どもの脳”を守れ 脳科学が子育てを変える」を基に作成された内容だそうです。
脳科学の進歩で多くの知見が得られ、治療の道が拓かれていることがすごいと思いながら拝見しました。脳を守る、攻撃すると相反する働きをするミクログリア。神経細胞を保護、新しく作り出す役割も担っており、その特徴を治療に活かす方法が研究されているそうです。
そして、研究報告の最後に驚きました。
「だっこされるようないい体験によって、ミクログリアからBDNFなどの神経新生物質が出ます。こうした物質によって脳を良い方向に持っていく“ミクログリア治療”というものが今後の精神疾患やトラウマ治療に非常に重要じゃないかと考えています」(九州大学大学院准教授加藤隆弘さん談、太字は川上による)
神経新生物質BDNFを促すのが小さなわが子を手にした瞬間から自然とやってきた「抱っこ」。
ええ、これはすごい!
誰でもできることが精神疾患やトラウマ治療に重要というのは光明です。なぜなら特殊な能力の人や高額な医療費がかかる、特殊な治療であれば恩恵を受ける人は限られます。私たち誰もが、いつでも、どこでもできる抱っこって、すごいことです。
さらに、このblogで伝えたいのは、もう一歩先。
可愛がることが自立を阻むこともあります。愛情と溺愛の線をどこかで引かなければいけません。見極めを誰がどこでするかまでも考えます。
乳児から幼児、小学生へと成長する過程で子どもたちが出すサインがあります。それまでの親の接し方を嫌がり、脱走、無視、不機嫌さ、無愛想などの態度で示したり、ヤダ、キモいやウザイという攻撃的な言葉で表現したりします。
子どもたちの不器用な表現は親御さんには理解しがたく、カチンと来るかもしれません。でも、それがサインです。子どもたちの本当の自立、自律はまだまだ時間がかかるものの、気持ちはもう一丁前ですから。
親御さんがそのサインを見逃さなければ溺愛に走りません。見極めが難しいときは、親にYESとだけ言っていたらべったりだなと判断するとよいでしょう。お子さんの変化を見極めるのは親御さんです。必要な時期に愛情をたっぷりと、何の見返りも求めないで愛情を注いでくださいね。
現代社会には大きな壁があります。働くこと、人とのコミュニケーションをとることは難しく、その壁の前で精神的に病んだりすくんだり、生きることを諦めてしまったりする人が増えています。
しかし、そうならない育て方を私たちはすでに体得しているのだとNHK報道から気づくことができました。抱っこされているお子さんに安心感を与え、抱っこしている親御さんも癒しているのかもしれないですね。いいな、抱っこ。
子育て真っ最中の皆さま、お子さんをむぎゅっと抱っこしていますか。
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Edu Support Office 代表 川上淳子
☞一般社団法人日本アンガ―マネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント
☞ボイスマルシェ相談員
元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
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