こんにちは。

Edu Support Office　川上淳子です。

Photo＠多賀城跡あやめ園
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7月の初め、胃がん検診へ。

高齢の方が番号を呼ばれても応じることができず、そばにいた方に促されてやっと受付へ。問診への指示も聞き取れず、待合の椅子に座ろうとして、間違いを正され、やっと問診の席へ進みました。あれっと思った小さな違和感、不安が後に自分にふりかかってくることなど、このとき想像もしていませんでした。

「聞こえていないかも」

と、よく見たところ、補聴器をかけていました。

案内された検診車にこの方がおいでになり、不安が現実に。撮影が始まってほどなくして検診台が水平に停止、初めて見た光景でした。胃がん検診が中断されたようです。

検査室から出て待合の椅子にどかっと座ったので、何か理解にズレがあることがわかりました。順番待ちをしている方にいきなり話しかけたものの、見ず知らずの方なので反応できずにいるのに、知人のごとく話し続けているのも異様でした。

係の人に「終わりましたよ」と促され、「あら、お先に」と甲高い声で言っている様子に撮影中断も知らない人に話しかけた迷惑も全く意に介していないこともわかりました。

この後、何と撮影システムダウン、私を含めた3人が他の検診車へ移動することになりました。

さて、この出来事で誰がどこで異変に気づくべきだったのでしょうか。

何と言っても、異変を見つけられるのは検診チームの方々かと思います。もう一つは本人。

検診注意事項の「撮影台からの転落のおそれがある、または撮影が困難な方」のうち、「認知症などで、指示通りに動くことが困難である」にあたるのではと思います。集団検診には認知力と体力が必要です。

ご家族の助言が欠かせないものの、意外と厄介です。高齢になると力の衰えそのものを認めたくない、あるいは自覚できないことがあるからです。きっと言われてもどこ吹く風と気にしなかったり、逆ギレされたりすることも多いと予想しています。

まず、検診受付で受診者の状況を把握し、本人へのアプローチやチーム内での共有が可能でした。
「聞こえていますか？補聴器をしっかりつけましょう」
「聞こえにくいのでしたら、ゆっくり話しますね」

「〇〇番の方、聞き取りがよくないようですので、理解できているか確かめながら検診を進めてくださいと、メモで共有することもできました。

検査中断を受けて、本人やチームへのアプローチも可能です。
「検査を受けられなかったこと」をきちんと本人に伝え、自覚を促す
「次は個別で検査を受けてほしい」と伝える
「高齢者で聴力、認知力の落ちた方」への検査方法を検討する

このように何らかの注意や指示を与えて帰宅してもらったこと、チームで検診運営について検討されたことを祈るばかりです。

そして、この出来事、明日は我が身に起きることです。他の人の姿は鏡、自分の今を写してくれると捉えています。今回は自分の聴力や認知、体力を振り返るよい機会になりました。

それにつけても、私の周りでは思いがけない出来事が起きていることに驚くばかりです。

高齢者3,600万人を抱える日本にとって、集団検診での受診不能は私がなんやかや言うことではなく、もはや国レベルの課題ではないかと思います。機械まで不具合を起こしては時間と費用の損失が計り知れません。何よりも未受検により重大な病気の発見が遅れてしまってはご本人の損失、取り返しがつかないことになります。

いずれにしても、異変やトラブルは改善の機会と捉えていきたいものです。

皆さまのご両親や義両親のご健康、いかがでしょうか。異変に気づいたら自尊心を傷つけないよう変化に対応してあげてくださいね。

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Edu Support Office　代表　川上淳子
☞一般社団法人日本アンガ―マネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント
☞ボイスマルシェ相談員
元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員