2021.06.08子育てポケットノート
子育てポケットノートVol.220~あれから20年~
こんにちは。
Edu Support Office 川上淳子です。
ブルームーン_ドイツ@せんだい農業園芸センター
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本日は、大阪教育大学付属池田小事件から20年。
被害に遭われ、命を落とされた子どもたち、ご遺族の方々へ心よりお悔やみを申し上げます。
当時教員だった私はこのニュースに心底震えました。子どもたちの命を預かっていることの責任を改めて覚悟した出来事でした。
昨日、朝日新聞に事件でお嬢さんを失ったお母様のことが報道されていました。
「心に寄り添う 優希と69歩目」
教室でお嬢さんの優希さんが刺されてから歩んだ68歩を確認したお母様。お嬢さんが歩めなかった69歩目を踏み出していた20年の記録でした。
当時の事件現場は想像に余りある、凄惨な状況だったことでしょう。
事件後、精神対話士の資格を取得し、グリーフ(悲嘆)ケアも学び、刑務所で受刑者への「被害者への視点を取り入れた教育」の講師を務めておられるそうです。極限の状況から前を向いて活動されている姿に頭が下がる思いです。
記事の中で、加害者の生育歴に触れた箇所が心に残りました。当時から私自身が気になっていた「子どもが育つ過程が大事だ」ということに繋がる内容なのです。
「幼少期の虐待などの経験から、悲しみや怒りの感情が大人になって暴力に向かうことがあり得ると考えることもあった。」
✲
現職のころ、市教委から一斉メールが配信され、不審者情報が頻繁に届くようになりました。
「恐い人がいるから注意しよう」
と恐怖を煽るのではなく、保護者に伝えなければならないのは、
「わが子を犯罪者にしない強い覚悟をもってほしい」
「恐い人がどこかにいるではなく、誰もが恐い人になりうる。大事なのは育てられ方」
「親としてお子さんへ愛情を注いでほしい、それが不審者を生まない唯一の方法」
と思っていました。
親に愛されることで自己肯定感がつき、他への思いやりも育っていきます。
その一方で、親だからこそ「ダメはダメ」と毅然と叱ってほしいとも思っていました。子どもだから何もかも許されていては善悪の区別がつきません。自分の思いや考えを言葉に表す経験を積ませることで、暴力を振るわずに適切に自分の感情を表現できるようになります。
もちろん、教師も子どもたちを褒めると、同時に叱ることを継続して行っています。そのどちらも子どもが成長していく過程で、大事な働きかけです。
愛情と分別が欠落し、暴力という形で物事を解決する考え方に陥ると、容易に加害者になってしまいます。
池田小で加害者の暴力に遭遇してしまったのですから、たまったものではありません。この事件で夭折した8人は、誰もが理性的な考え方をもってほしいと社会へ訴えていると思います。
2年生7名、1年生1名、小さくて、か細い体では大人の暴力に耐えられませんでした。
理不尽な暴力で途絶えた無念を忘れず、このblogでは、これからも社会のあり方に一石を投じる発信を続けてまいります。
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一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定
アンガーマネジメントコンサルタント
https://www.angermanagement.co.jp/facilitetor/2115
ボイスマルシェ相談員
https://www.voicemarche.jp/advisers/928
元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
Edu Support Office
代表 川上淳子
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