目次

• ○  公立小学校の1クラスの定員 35人以下に
• ○  情報の読み方
• ○  我慢学級を担任してきたからこそ
• ○  情報を多方面から見るきっかけに

公立小学校の1クラスの定員 35人以下に

NHK　2021年2月2日 11時42分：★情報公開に期限があることを予想し、以下に全文を引用します。

少人数学級の実現に向けて、政府は、公立小学校の1クラスの定員を40人以下から35人以下に引き下げる義務標準法の改正案を閣議決定しました。

現行の義務標準法は、公立の小学校と中学校の1クラス当たりの定員について、
▼小学1年生は35人以下
▼小学2年生から中学3年生までは40人以下と定めています。

このうち改正案は、小学2年生から6年生までの1クラスの当たりの定員を35人以下に引き下げ、小学校のすべての学年について「35人学級」を実現するもので、2日の閣議で決定されました。

定員の引き下げは、新年度に小学2年生から着手し、令和7年度までの5年間で順次6年生まで実施するとしています。

小学校の1クラスの定員が一律に引き下げられるのは、およそ40年ぶりです。

また、改正案の付則には、「35人学級」による教育の効果を検証するとともに、教員免許制度の在り方や教員の資質の向上策を検討することが盛り込まれています。

萩生田文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で「令和という新しい時代の教育として、一人一人に寄り添ったきめ細かな指導を可能とし、誰ひとり取り残すことなくすべての子どもたちの可能性を引き出せるようにしていく」と述べました。

政府は、今の国会で改正法の成立を目指すことにしています。

公立小学校の1クラスの定員 35人以下に

情報の読み方

小学校の1クラス定員の削減は朗報。

しかし、注意すべき点は文部科学大臣の発表に存在します。

「定員の引き下げは、新年度に小学2年生から着手し、令和7年度までの5年間で順次6年生まで実施するとしています。」

新年度に小学2年生から着手。
☞他の学年の定員減はしないということです。

令和7年度までの5年間で順次6年生まで実施。
☞書き出してみるとこうなります。
令和3年度に2年生
令和4年度に2年生と3年生
令和5年度に2年生と3年生と4年生
令和6年度に2年生と3年生と4年生と5年生
令和7年度に2年生と3年生と4年生と5年生と6年生

つまり、令和3年度に2年生だった学年とそれより下の学年は定員減の対象になります。

しかし、令和3年度に3年生以上の学年は対象にはならないということ。

我慢学級を担任してきたからこそ

筆者は東北最大都市仙台のベッドタウンで26年間にわたり勤務。最後の勤務校は仙台まで電車で10分余りと近距離のため、市内では児童数が多い学校でした。

それでも少子化の波が押し寄せ、平成19年ごろは4学級が多かったのですが、次第に3学級が増えてきました。

年が明けると「転出があるときには早めに」と学校だよりや学年だよりでご家庭に連絡を行っておりました。

定員が40人以下というのは121人で4学級、120人は3学級。一人の差は大きく、事前の転出確認は重要な意味を持ちます。

特に、私が担当していた学年は3～4名の転出があってもそれ以上の転入がなく、一度も121名を超えたことがありません。

「我慢学級」

4学級になれなかった学級はこう呼ばれていたものでした。

平成一けた生まれのわが子2人は1クラス32名ほどでゆったり、一つ違いで39人のぎゅうぎゅう詰めの学年もあり、生まれ年による差がありました。

情報を多方面から見るきっかけに

教育現場にいた立場からお話をいたしました。

クラスを増やすというのは教室を一つ、教師一人を多くすることです。学校の物的な環境、財政措置、さまざまな影響があります。

その恩恵はどの学年にも及んでほしいと願っています。

たとえば、我慢学級になりそうな学年は「順次」ではなく、何年生であっても35人学級を適応してほしいものです。

教育現場の声が反映されることも併せて期待しています。

今後とも注意深く法案成立を見守ってまいります。

今回のニュース、子育て世代のパパママには教育の情報を多方面から見るきっかけにしてほしいです。