2020.12.21じゅんぶろ・ほのぼのとーく
怒りのマネジメント~その怒りを伝えられるように~
こんにちは。
Edu Support Office 川上淳子です。
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12月19日、胃がん検診バスでの検診を終え、建物の入り口での出来事。
私の後から来た年配の方がぶんぶんと怒って、会場の誘導係の人に、
「年上だぞ、ため口だった。注意しろ。」
とすごい剣幕でまくし立てていました。検診バスには受付で説明をする人とレントゲン技師の2名。どちらかの対応に不満があった模様。男子更衣室に入ろうとしたときも怒りが収まらず、
「年配者だぞ、無礼者!」
と吐き捨てるように言っているのが女子更衣室まで聞こえてきました。推測の域でしかありませんが、噛んで含んで言う言い方だったのか、必要以上にゆっくりとした言い方だったのか、馬鹿にされた思いがしたのでしょう。
高齢者の方が怒っていること、大事です。
人によって言い方を変えたり、言葉の抑揚や声の高さだったりの繊細な部分を人は読み取ります。そのことをしっかりと把握できる力をお持ちでした。
私たちを怒らせるものの正体は、自分の「べき」。
「目の上の人にはため口で話すべきではない」
「目上の人には尊敬の念を持って接するべき」
という自分のべきが目の前で裏切られたから怒っているのです。
でも、もう一歩、その怒りを伝えられるようにしないと。。
そもそも担当者の言い方がため口だというのも高齢者の思い込みかもしれません。担当者がわかりやすいように配慮していただけかもしれません。
誤解を排するためにも、「どんなことがあったのか」の事実を添えて伝えることが大事です。
私が聞いたやり取りには何ケ所か抜けていました。その部分を補足してみましょう。
「年上だぞ、ため口だった。注意しろ。」
⇂ ⇂ ⇂
「自分は年上で人生経験も積んできた。検診バスで受付、あるいはレントゲン技師が自分にため口で話しかけた。『~~~~』と言われて年寄り扱いされて悔しい思いをした。その場でも注意したが、今後このようなことがないように担当者全員で共有して、受検者に嫌な思いをさせしないように努力してほしい。検診は今の健康状態を知るために神経を使ってやって来ていることを理解してほしい。」
こんなふうになるでしょうか。
これを当事者に伝えることが必要です。お一人の怒りが検診の全担当者のスキルアップに繋がる機会になるのです。冷静に伝えられたら変えられる未来があります。
相手へのリクエスト(何をしてほしいのか)+気持ち(自分の気持ち)
上手に怒る、上手に叱る基本です。
相手に注意した後でも怒りが収まらないのは問題となる怒り方。すっぱりと気持ちを切り替えましょう。自分にとっても周りの人にとっても長期的に見ても健康的な怒り方を選んでいきます。
一方で、若い人たちにも高齢者へ常に尊敬の念をもってほしいと思います。超高齢化社会の現在、そして、これからも加速する社会の中で高齢者と出会う場面が数多くあります。
ちなみに数字で見てみますと、65歳上の高齢者人口は次のとおり。
昭和45年(1970) 733万人
平成29年(2017)3514万人
うち、80歳以上は 1074万人!65歳以上の方の総人口に占める割合は27.7%、約3割が高齢者。。
この50年前と比べると、5倍の確率で高齢者と出会う機会が増えていると言ってもいいのです。高齢者と若者が接するたびに怒りをぶつけ合っていてはお互いに疲れてしまいます。
以前だったら高齢者を怒りっぽい人と一刀両断にしていた私でしたが、怒りには意味があるからこそ伝え方が大切なのだと痛感しています。
皆さまにはどのような怒りとの出合いがありますか。
自分の怒りの奥にある価値観に思いをはせ、上手に怒りを伝えられるようマネジメントしてまいりましょう。
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一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントトレーニングプロフェッショナル
https://www.angermanagement.co.jp/facilitetor/2115
元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
Edu Support Office
代表 川上淳子
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