こんにちは。

Edu Support Office　川上淳子です。

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『鬼滅の刃』の勢いが止まりません。

千と千尋の神隠しやトトロのジブリ作品、ポケットモンスター、ハリーポッター、ウルトラマン（かなり古い）のシリーズを凌駕しているようです。

11月、『鬼滅の刃』の再放送を観ました。

残酷な場面が多く、小さな子供がこの作品を観ている意味について考えていました。

これまでのアニメにも闘いの場面があるのに、感じたことのない怖さに私の危険アンテナがぶるぶると震えていました。

『鬼滅の刃』、大絶賛されています。Twitterでは映画を観ているときに親が配慮すればよい、子どもが怖がる時は見せない、どちらにしても親が決めるという意見が散見されました。

老婆心だけど心配が尽きないのはなぜだろうと考えていたところ、「ビートルズが変えた世界」朝日新聞15面文化の扉2020.11.30に私の悩みへの答えを見つけました。

音楽評論家の湯川れい子さんのお話。

ビートルズ来日時に面会した湯川さんはグループ解散後にジョンの息子ショーンが同席したときのジョンの意見を振り返っていました。

～中略～
お互いの子どもの話になりました。当時流行っていた鎖鎌で相手を倒すゲームについて、ジョンから

「現実なら血が出て傷つく人がいるのに、それが快楽になるなんてすごく怖いことだよ。戦争にも無自覚になってしまう。子どもには絶対そういうゲームを与えないでほしい」

と言われたのが印象に残っています。

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WHO世界保健機関ではゲーム依存を病気として扱うようになるなど、ここ数年世界的にも問題視されています。

教員時代、ゲームが家庭内の対立の激化、子どもの無気力化に拍車をかけ、何度も相談を受けていました。

しかし、学校が家庭の中に入っていくことは非常に難しいのです。

なぜなら、家庭での生活のすべてを担任は管理できないからです。

保護者がゲームに対して「否」を言わなければ、子どもたちのゲーム熱は冷めることがありません。そして、怖いのはそうした経験は子どもの意識にはっきりと刻まれることです。

ゲームの攻撃の技を真似して級友を殴る、蹴る、蹴り上げるなどの乱暴な行動がふいにやれてしまうのです。「殺す」「死ね」「消えろ」の暴言を耳にすることも年を追うごとに増えてきていました。

子どもたちはこうした言動を取ったとしても、そのことに対してあまり罪の意識がないこともとても心配でした。

アニメの話に戻しましょう。

鬼になった「元人間」が首をはねられていく姿、「鬼殺隊」が鬼の首をはねる姿を皆さまはどのようにご覧になっていますでしょうか。

「アニメを観せないで」とは言いません。

こうした残酷な光景が子どもたちの意識に、あるいは無意識にどのように刻まれていくのか、観た後の子どもの言動に目を、心を配ってほしいと思うのです。

『鬼滅の刃』は１話毎の終末、鬼殺隊となった竈門炭次郎が、鬼が人間として生きているときに受けた悔しさや悲しみに気づく場面があります。

理不尽な仕打ちに泣き、手をつないでもらえない寂しさに泣き、生きている間に全く報われることがありませんでした。

鬼の悲しみは現在の私たち社会そのものです。パワハラ、セクハラ、児童虐待、夫婦や恋人間のDVなどと置き換えて考えることができます。

子どもたちには今、対面している友達の心の動きに気づいてあげられるようになってほしいと願ってやみません。

暴力や暴言は鬼になってしまった人間がやっていること、それはどんなに力が強くなっても、何の平安も向上ももたらすことがないことに早く気づいてほしいのです。

『鬼滅の刃』の作者もそう願っているのではないでしょうか、きっと。

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一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントトレーニングプロフェッショナル
https://www.angermanagement.co.jp/facilitetor/2115
元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
Edu Support Office
代表　川上淳子