こんにちは。

Edu Support Office　川上淳子です。

Виктория БородиноваによるPixabayからの画像（我が家ではありません。）

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長い教員生活の中で、子どもたちが「ものの管理」ができないことで悩まされることが多くありました。若い頃ではなく、最後の十年ほどが顕著でした。

たとえば、よくあったのは……。

◆プリントをなくす。
◆プリントがランドセルの底にぐじゃぐじゃになっているのに無頓着。
◆机に入れている道具箱に汚れたティッシュを入れ、それにも無頓着。しかも、ぎゅうぎゅう詰め。
◆色鉛筆のけずりかすが道具箱のそこここに散らばっているのに平気。
◆「給食エプロンを忘れた」と申し出てきたのに「体育袋に入っていました」（？）と報告に来る、誰が何をしたか誰が何もしなかったかがはっきりとわかる。
◆5年生の宿泊学習。荷物を半径１ｍにわたり全部出し始め、食事の時間に間に合わない。荷物の円の中心で呆然としている。
◆こちらも5年生の宿泊学習。「ペットボトルを肩にかけられるようにひもで結ぶ」と指示されたのに、ひもが結べず、グループの子も待ってくれず、一人取り残される。

1年生で算数セット、3年生でリコーダーと習字道具、5年生で裁縫セット、学年が上がるたびに管理するものが増えていきます。ものはだんだん小さくなり、数が増え、針やはさみに至っては危険と隣り合わせになるなど、大変さは加速していきます。

ものの管理、自分の力でやれるかどうかは学習にも生活にも大きく関わります。

そのことで子どもたちはとても苦労しているのです。

もちろん教員として一つ一つのことに対処し、少しでもできるように指導していました。ただ限られた時間の中で生活面での指導に時間をかけるのは本当に惜しいのです。

ご家庭での日々の積み重ねてきたこと、あるいは積み重ねてこなかったことも就学と同時に明らかになってきます。

学習の先取りよりも「自分のもの」を片付ける経験をしてほしいというのが教員だった私の本音です。

「いつまでに」「どこに」「どうするのか」を決めて片づけるという経験をさせていくうちに「ものを管理する力」が付いてきます。

お家の人が約束として決めるのではなく、お子さんと相談しながら、自分の意志で進めさせていくことが重要です。親にやらされているのではいつまでも依存し、しまいには「親がやってくれるなら自分がやらなくていい」になってしまいます。

いつもリビングはきれいであるべき！とお母さん自身が考え、散らかった状態にお小言を言い続けても事態は改善されません。

私自身、子育て当時のイライラはまさにここ、散乱している光景に苛立っていました。

せめてこうしてほしいを具体的に考え、実行できるようにサポートしていきましょう。

いつまでに……夕食の前に
どこに……おもちゃ箱の中に
どんなふうに……並べなくていいけど使ったものを入れる
自分から片付けてほしい。（ママに言われなくても）

就学準備は生活力をつけることが重要です。焦らずに。

簡単に見える行動の中には、人の話を聞き、自分の意見を言う「国語」の力も、時間の管理をする「算数」の力も、自分から行う自発性や主体性なども培い、学習の基礎となることがらがちゃんと入っています。

そうした力があってこそ、安心して安定して教室での学習に臨むことができるのです。

8月31日は「自分の思いを言葉に」、本日は「ものの管理」。

さて、次回は心の安定について考えます。どうぞお楽しみに！

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一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントトレーニングプロフェッショナル
https://www.angermanagement.co.jp/facilitetor/2115
元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
Edu Support Office
代表　川上淳子

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