2019.11.07働き方ポケットノート
自分のやる気、部下のやる気を育てる3つの観点
目次
- ○ 自分のやる気も部下のやる気も育てる3つの観点とは
- ○ 1.常に「Why」を考えよう~自分の軸を創る~
- ○ 2.言葉を変えよう~言葉は両刃の剣~
- ○ 3.時間の使い方を変えよう~やる気の精度~
- ○ まとめ
自分のやる気も部下のやる気も育てる3つの観点とは
職場の人間関係に躓いたり、脅威を感じたりする職場であれば居心地は良くありませんし、辞めたいと感じることも多いのではないでしょうか。
人生100年時代を迎える今、退職後も同じ職場に留まる、または同じ系列の会社や組織に属するとなれば、職場の雰囲気や人間関係を改善していくことが求められます。誰しも安心安全な場所で思い切り仕事をしたいと思うのは当たり前のことです。
上司の地位にあれば部下を育て、なおかつ、自分自身もやる気をもって職務にあたることが欠かせません。
やる気に満ちた仕事を行うために、「なぜ」、言葉遣い、時間の3つの観点について、ご一緒に考えてまいりましょう。
1.常に「Why」を考えよう~自分の軸を創る~
書籍だけでなく、SNSの発達で居ながらにして、世界中から情報が集まる現代。私たちの周りには情報が溢れんばかりに存在しています。仕事、コミュニケーション、片付け方などなど、微に入り細に入り、多くの情報がこれでもかというぐらい増加しています。
どれが正解というわけではありません。ただ、どれかを選んでいかなければなりません。人が言うことをすべて読み、理解し、実践していくには時間がかかり過ぎます。
キーワードは、「Why」。
なぜこの提案を行うのか、なぜこのプロジェクトを実行するのか、なぜこの実験がうまくいかないのか、なぜこのプロジェクトが順調ではないのか、常に「なぜ」を考えていきましょう。
なぜなら、上から与えられるまま、ただ業務をこなし、ただ成果を上げることだけに終始していると、それ以上の何かにはなれないからです。
今はしがない新入社員でも、今はなりたての管理職であっても、いつか「Why」を考え続けてきた人だけが新しいステップに行けることでしょう。
自分の軸を創ることができます。
2.言葉を変えよう~言葉は両刃の剣~
人間を人間たらしめている言葉は思考を司り、新しい文化を築いてきました。
しかし、時として、人を殺すこともあります。上司に言われた一言で命を絶つ人がいます。心を病んで仕事を辞める人がいます。怒りを募らせた相手から、命を奪われた人もいます。
まさに言葉は両刃の剣。
パワハラの問題のうち、言葉による叱責は精神的な攻撃にあたります。
職場でのひとことひとことは重要な意味を持ち、重大な結果をもたらしてしまうため、慎重に対応しなければなりません。
ここでも、なぜこの言葉を相手に言うのか、なぜ叱るのかを考えていきます。自分の機嫌が悪いのを晴らす、上からの怒りを部下にぶつけて発散するために言葉を発してはいけません。
それでは、何も話さない方がよい、黙っていた方がよいのでしょうか。
上司がひとこと言わなかったためにプロジェクトが台無しになる、不要な失敗を招くことが起きます。叱るときには叱らなければいけません。
そのときの留意点は‥‥
①人と比べない(同期の〇〇は気が利くよね。後輩の方が理解が早い。)
➁過去を持ち出さない(前にも指導していたよね。これで何回目の注意だ。)
③一度の失敗を大げさに言わない(やっぱり失敗したじゃないか。)
④幅のある言い方をしない(だからしっかりやってと言ったじゃないか。)
⑤差別的な発言をしない(これだから女はだめだ。どの大学出たんだ。)
一つ一つ上げるときりがありません。こうしたいけない言葉遣いはすべて人へのリスペクトがありません。逆に言うと、相手への敬意をもって言葉を選んでいく、そうした姿勢があなた自身のやる気にも、部下のやる気にも繋がるのです。
誰でも自分を認め、励ましてくれる存在に心を開くのは当然です。言葉遣いを変えていくことで、職場の環境はがらりと変わっていきます。誰かがやってくれるのではなく、気づいたあなたが率先して実行していけばよいのです。
3.時間の使い方を変えよう~やる気の精度~
なぜ、やる気を持つ必要があるのか。それはやる気こそ仕事のモチベーションを上げるからです。やる気がない人が最高の契約を取ったり、最高の売り上げを達成したりすることはありません。
意気揚々と仕事をしている人と、何だかやる気がない人の違いは何でしょうか。
それは時間の使い方です。
不平不満ばかり言う、自慢話をする、自分は大して仕事をしないのに揚げ足取りの発言をするのは時間の無駄使いです。愚痴を言ったところで何も改善や工夫やアイディアは生まれません。
他の人が意味がないと思っていることに意味を見出し、取り組んでいる人には外からの評価は雑音にしか聞こえません。
やる気の精度を上げていきましょう。
その例としてぴったりの人を紹介しましょう。
2008年(平成20年)ノーベル化学賞を受賞した下村脩氏。
100万匹のクラゲを捕獲したと言います。受賞後のインタビューで「来る日も来る日もクラゲ、取っていました」と答えていたことが印象的でした。端から見たら、何とも滑稽な作業を延々と行っているのですから。そのことを否定する言葉に振り回されずに、研究を後押ししてくれる人との共同作業で賞を獲得されました。
自分が「これ!」と閃いたことに集中する力は、研究分野だけでなく、どの仕事にも不可欠なものです。もし、「誰かにこう言われて、がっかりした」「こんな忠告をされたからやる気をなくした」と言っているようでは大きな成果を手に入れることができないのです。
このことは上司の部下に対する評価についても当てはまります。上司の基準で「こいつはダメだ」「そんなことは無駄だ」と判断し、そのことを言ってしまえば、部下のやる気も失せてしまいます。不甲斐ないと部下を蔑んでみていれば、イライラしている自分にあなた自身のやる気もなくなっているのです。
しかし、未知なるものに取り組んでいることに応援できることが真の上司の役割と言えます。かすかな可能性にかけて、部下が足りていない知識や資金や工夫点をさりげなくアドバイスしてこそ、部下もその真価を発揮してくれることでしょう。
まとめ
自分のやる気、部下のやる気、どちらも育てていくには「言葉」がキーワードです。
ポジティブな言葉はポジティブな行動を生み、継続した取り組みに繋がります。常に「Why」を考え、言葉を変え、時間の使い方の精度を上げる、この3つの観点を頭に入れて仕事を進めることです。
誰も与えてはくれません。自分の力で、まず、一つのことから始めてみましょう。きっと前向きな自分、前向きな部下が生まれていることでしょう。
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