こんにちは。
Edu Support Office　川上淳子です。
今日の子育てポケットノートは、「先生の仕事に支えられて」。

ちょっとポケットに入るサイズの情報。
＊　＊　＊　＊　＊

ある年、定年退職を迎える先生が長女の担任になりました。元気があって溌溂としていて、書くことを大事にされていました。

3月、先生がご退職のとき、文集がわが家に届きました。厚さが2.5㎝、195号に上る学級通信を製本してくださいました。

1日分が両面1頁ずつ。子どもたちの作文や絵や明日の予定欄があり、連絡帳も兼ねていました。なんと、保護者が感想を書く欄もありました。しかも、毎日！！午後5時には退庁し、通信を読んで感想を書き入れていると、ゆうに30分はかかりました。先生が丸やコメントもつけてくれることを子どものように楽しみにしていました。先生はそれはそれは大変だったことでしょう。

働き方改革が進み、「先生たちの仕事ってブラックよね」と教員の働き方改革の喧しくなってきました。

このように尽力されている先生は、このことが「余計なことだ、役に立たないことだ、意味のないことだ」とは思わずに、ひたすら子どもたちのコミュニケーションを取り、保護者と連携を取り、親も含めて育てていただいた1年間でした。

こうしたタイプの先生は今はもう少ないのかもしれませんね。

私が教員として過ごした最後の年、「役に立つことをやればいい。学級通信はやらなくていい。」「そんなことに時間をかけることよりも授業をしっかりやればいいのだ。」という先生がいました。確かに、それも一理あります。

私自身も毎日通信を出していた学年がありましたが、教育課程が改訂されるたびに仕事量が増えていき、学級通信が薄くなるにつれて、保護者の方との距離を感じるようになっていました。普段、意志の疎通ができていない分、お叱りの言葉が厳しく、回数も多いように感じていました。

「役に立つこと」をやればいい、それでは、「役に立つこと」とはなんでしょうか。

計算ができたり、漢字が書けたり、人に迷惑をかけずに教室で生活したり。。

けれども、そのことができるためにも、そのがんばっている姿を、小さな変化を言葉にして伝える作業は欠かせません。教室の子どもたち同士の関係も育てますし、保護者にも子どもを見る視点を増やしていただけます。

学級通信は作っても役に立つかどうかわかりません。しかし、この先生が私の子どもを見、私の子育ての一端に目を止めて励ましてくれる機会を作っていただいことが本当にうれしかったです。

「この先生の仕事によって支えられ、子育てをしていた」と、子どもが成人を過ぎても感謝してやまないのです。

2020年度、小学校学習指導要領が改訂されます。もうすでに教育現場では2年前から移行措置が取られ、動いています。「英語」、「道徳」、「プログラミング」、未来を見据えた教育が施されます。

教育が向かう先で子どもたちと先生、保護者が分断されずに手を取りあえる関係が築いていけるよう陰ながら願っています。

この文集の最後のページに残されていた、先生へ私からのことば。。

＊　＊　＊
　
すてきな文集、ありがとうございました。一生の宝物です。結婚するとき、持たせてあげたいと思います。（本人が）文字をきれいに書けばよかったと後悔するかもしれませんね。
先生、長い間、ご苦労さまでした。これからもお元気でご活躍ください。子育て、がんばっていきます。

＊　＊　＊

この日から十数年後、先生は全くお変わりない姿でスカーフをなびかせ、素敵な洋服を身につけて歩かれていました。教師としても、女性としても、かくありたい、そう思わせる先生でした。

皆さまのお子さんの担任の先生はどのような工夫をされていますか。書くこと、スポーツ、お話上手、どの先生にも得意分野があって、よい持ち味があって、子どもたちを懸命に導いてくださっていることでしょう。

ちょっとポケットに入るサイズの情報、
「子育てポケットノート」。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

🍂　🍂　🍂

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントコンサルタント™
国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
Edu Support Office
代表　川上淳子

＃仙台　カウンセリング
＃企業研修　ハラスメント防止　メンタルヘルス