2019.10.16働き方ポケットノート
「イクメン」が日本を変える~育児休業取得を悩むパパたちへ~
目次
「イクメン」は女性の社会進出の鍵
2009年2010年、「イクメン」が流行語大賞のトップテンに入りました。
その後、日本再興戦略2015では男性の育児休業取得率の現状2.30%に対して、2020年には数値目標を13%と明記されています。ちなみに、平成29年度(2017年度)の報告では、5.14%。
しかし、その3年後、直近の日本再興戦略2018には「早く」「急激」「世界」「変化」が並びます。
日本の経済が急速に進展していく中、育児休業を取得するべきか、出産を控えた妻、子育てで疲弊する家庭の状況に悩むパパたちが多いのではと想像しています。
日本再興戦略2018にこれまでの流れから急に舵を切ったかのような印象をもちました。「男性の育児休業取得」の項目を見つけることができませんでした。
一時期、もてはやされた「イクメン」、「男性の育児休業取得」がなりを潜めていることを憂慮しています。
「イクメン」は女性の社会進出の鍵を握っているからです。
厚生労働省「雇用均等基本調査」P19 図4参照 2019.08.09
外国との比較でわかる日本の子育て事情
外国との比較を見てみますと、日本の子育て事情が歴然としています。
男性の育児休業の取得率を押し上げる取得可能期間の長さ、所得保障の割合の高さ、比べものになりません。
育児休業の取得率:スウェーデンの90%、日本の2.65%。
この数字は子育てと仕事の両立を望む日本の女性に大きな負担が強いられていることをも表しています。
それでは、制度が不充分であることだけが男性の育児休業取得を妨げている理由でしょうか。
男性の育児休業取得を妨げる要因
男性の育児休業取得を妨げる要因として、育児休業期間の所得保障の低さが挙げられます。
しかし、低いとはいえ、スウェーデンの80%に比べ、その差はわずか13ポイント。
それ以上に職場の中核を担う世代には仕事の代わりの存在がいないなど、職場で中核となる仕事をしている背景が大きいことがわかります。
そして、少なくともパタニティ・ハラスメント、パワーハラスメントの一種が行われていることが陰を落としています。
つまり、制度が整っても、職場の上司や同僚から受ける言動から、「男性は仕事、女性は家庭」といった考え方、あるいは共働きへの不寛容さ、取りたくとも取れない「雰囲気」が存在するのです。
職場の意識改革、子育て世代を支援する意識へと変わっていくことが大事だとわかります。
まとめ
男性の育児休業取得は、男女の「仕事と育児の両立」を支援する制度。
次世代を担う子どもたちを安心して産み育てることは一個人のことがらではなく、少子化に歯止めをかけ、年金や医療の社会保障制度が立ち行かなくなることを防ぐ具体的な手立てなのです。
すぐにやって来る超高齢者化社会の下支えをするという視点をすべての人が認識する必要があります。
女性も仕事で活躍し、輝ける未来を描くことができます。育児休業取得を取るかどうかで悩まれているパパの決心が日本を救うことに繋がります。取得可能な限りの期間を選ぶ、せめて妻の体力が回復するまでの期間を選ぶ、少なくともと、ご自身の職場の状況を踏まえての決断になることでしょう。
2009年に日本全体が気づいていたように「イクメン」が増えていくことが先細りする日本を変えていくことができます。
今後、日本はどこへ向かっていくのでしょうか。急激な変化に「24時間闘うこと」を余儀なくされるのでしょうか。厳しい局面を迎える風を今、感じています。
だからこそ、「イクメン」が日本を変える原動力になってほしいと切に願っています。
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