こんにちは。
Edu Support Office　川上淳子です。
今日の子育てポケットノートは、「サンカクコウエン ガ イイ」。

ちょっとポケットに入るサイズの情報。
＊　＊　＊　＊　＊

私が初めて小学校4年生の担任になった冬休み、社会科の取材で沖縄に行きました。「あたたかい土地のくらし（今はこの単元はありません。）」で沖縄が取り上げられており、沖縄の風土や生活などを自分の目で調べて授業をしたいと考えていました。

当時、長男は年長組、長女は年少組。

タクシーを一日貸切、観光と取材。

見学もそこそこに子どもたち、首里城の「御庭」、走り回る。

サトウキビ畑をめぐり、その高さを捉えやすいように子どもたちに立ってもらって、撮影。子どもたち、ふぇ～んと不満そう、でも、母、気づかず。

沖縄の民家をめぐり、風通しのよい造りをカシャカシャ撮影。母、子どもたちがどこにいるかも把握せず、撮りまくる。

子どもたち、そっちのけで、あちこち連れ回していました。

サンゴのかけらでできているきれいな海岸、母、クラスの子に見せたくて、サンゴを夢中になって拾い集め。。。

桟橋のところで、長女、泣きながら、

「サンカクコウエン ガ イイ。」（三角公園：保育園のそばの児童公園）

そうなんです。楽しいと生き生きしていたのは私だけでした。

なぜ、三角公園だったのか。。

7月3日にもふれていた生物学者のポルトマンは、こんな説を唱えています。

生まれたときに未熟で一気にたくさん生まれるネズミなどは就巣性のある哺乳類。馬などは一度に1匹か2匹が生まれ、すぐに自立し、離巣性のある哺乳類。哺乳類の中でも霊長類であるチンパンジーやサルは離巣性の生物で、生まれたときから行動することが可能。こんなふうに哺乳類を３つに分類していました。

ところが、人は霊長類の仲間でありながら、離巣性はないというのです。

人間の子どもはネズミなどの就巣性のある哺乳類と同じく、巣の中で保護を受けなければ生きていけない存在です。

今日の冒頭の写真のねこちゃんたちと同じように、人間の子どもも家庭という暖かな巣の中で庇護を必要とする存在なのです。庇護を受けなければ生きていけない、かよわい存在です。

小さな子どもたちにとって「巣」である自分の家、あるいは見慣れた場所にいてこそ安心感が得られます。ですから、長女にとっては遊び慣れた三角公園の方がよかったのでした。

それなのに、この沖縄行きはわが子の状態を把握できず、配慮ゼロでした。

子どもたちにとって安心安全な「巣」から出て行くのは怖いし、疲れるし、「巣」以外の世界のことは何もわからないし、「ママ、サンゴいっぱ～～いって、なんで子どもより子どもっぽいかな。」と思っていたことでしょう。

それでも、母は沖縄に取材に行きたかったのです。

子どもの心身の状態と親の都合、せめぎ合っていました。

どうだったのだろう。今でも沖縄での取材に後悔はないのですが、巣から連れ出すには確かにちょっと早かったのかもしれません。

皆さまには、こんなせめぎ合いはありませんか。せめぎ合っていても、ここは譲れないこと、ありませんでしょうか。

今日の2枚目の写真、ねこちゃんたち、背伸びをして遠くを見ています。人間の子どもも知らないところに行くのは、こんなふうにあたりをキョロキョロして、なんだかな～～、しんぱ～～いなのです。沖縄でのわが子の姿、これでした。。。

ちょっとポケットに入るサイズの情報、
「子育てポケットノート」。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントコンサルタント™
国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
Edu Support Office
代表　川上淳子
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