2019.07.03子育てポケットノート
子育てポケットノートVol.28~「生理的早産」、保護者の覚悟が求められる理由~
こんにちは。
Edu Support Office 川上淳子です。
今日の子育てポケットノートは、『「生理的早産」、保護者の覚悟が求められる理由』。
ちょっとポケットに入るサイズの情報。
* * * * *
7月1日、大学からの帰途、ニュースを見ていましたら、「自宅に2歳放置で死なす」の文字。
またかと思ったとたん、もしや宮城県内のことではと不安に感じました。そして、目に飛び込んできたのが宮城県警の建物の写真。
「やっぱり。。」
なぜ小さな子どもたちがこうして過酷な運命を背負わなければならないのか。。
「育児に疲れ。。」
そうなんです。育児は疲れます。
それでは、なぜ子育ては大変なのか。古い本を通して考えてみます。
アドルフ・ポルトマン(1897-1982 スイス)は、人間は「生理的早産」(1944年)との説を提唱しています。
日本では1961年、『人間はどこまで動物かー新しい人間像のために』(岩波新書 高木正孝訳)として出版されています。1976年ごろ、大学の講義で学びました。
牛、馬、アザラシなどの高等な哺乳類に比べ、11か月ほど早く産まれてくるという説です。
馬や牛の出産シーンをテレビで見ていると、親と同じ姿で、しかも生後すぐに歩行を始めています。人間の赤ちゃんは全く異なります。首も座らず、足は極端に短く、外界にさらされることには耐えられない存在です。
馬や牛と同じような状態で生まれるためには、もう11か月余り、母親の胎内に留まらないといけないのです。しかし、大きくなった脳をもつ人間の赤ちゃんが母親の産道をくぐれるはずもありません。
人間が大きくなった脳をもち、二足歩行を獲得したことによって、11か月前に早産するというのです。
新生児を抱く、あるいは身近で見た人であれば、この説を知らなくとも、人間の赤ちゃんが到底一人では10分も生きていけないことを理解できることでしょう。親に覚悟が求められる理由は、この自力では生き得ないという点です。
親は「はかない存在」を守り育てるという役割があると覚悟することです。
それでは、こうした覚悟はどこで育成されるものでしょうか。またしても「学校教育で」と言われるのでしょうか。
「だれか」が培ってくれるものではなく、さまざまな機会を作れるのではないかと思います。
外出すると、小さいお子さん連れのご家族、母親の姿を見ることができます。親戚や知人の赤ちゃんにふれる機会もあります。お家にある写真を見ながら、子育ての苦労も楽しさも伝えられます。
「あのお母さん、たくさん荷物も持って、がんばっているね。赤ちゃんもえらいね。」
「あなたも、こ~んなに小さかったんだよ。」
「小さいときはすぐ熱を出して、心配してたんだよ。」
こんなふうに、さまざまな語りかけが小さな命に対する知識を育て、小さな命を守るきっかけに繋がるのではないでしょうか。
ちょっとポケットに入るサイズの情報、
「子育てポケットノート」。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
国立大学法人宮城教育大学非常勤講師
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントコンサルタント™
Edu Support Office
代表 川上淳子
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