こんにちは。
Edu Support Office　川上淳子です。
今日の子育てポケットノートは、「世界をのみこむ」。

ちょっとポケットに入るサイズの情報。
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フレーベル

この方をご存知でしょうか。今から200年以上前のドイツの教育学者（1782-1862）。幼児教育の祖と言われ、「幼稚園」（Kindergarten）という言葉を造りました。

フレーベルは著書『人間の教育』岩波文庫（上P38）の中で、「新生児にとって」と前書きし、「のみこむ」ということばを説明しています。

…「のみこむ」ということだけが、かろうじてできるほとんどただ一つの活動であり（子どもは、かれをとりまく人々の状態をのみこまないだろうか。）L14-L15

学生の頃、このフレーズがとても気になっていました。「のみこむ」という行為は食べ物を飲み込むにとどまらない、周囲の大人、大人を介して世界をのみこむことに通じていくのではないかと考えていました。

教員になり、給食指導をしているとき、この思いはとても強くなりました。

山ほど残る野菜のおひたしやひじき。。普段、家庭でも作ることが少ない献立は敬遠されます。牛乳も一口も飲めない、ごはんも一口しか食べないお子さんもいました。まだまだ飲みこめずにいるお子さんを多く見てきました。

食べられないときの困惑した表情。。

給食の指導は残食を出さないように、小食のお子さんには少しだけ、食べたことがなくて食べられないお子さんにはたった一口、食欲旺盛なお子さんには「お代わりしていい。」とことばをかけ続けていました。完食する回数が増え、食缶がすっからかん。食べたかどうか、一目瞭然です。

当然、子どもたちの食への意欲が高くなっていきました。
「飲めなかった牛乳が飲めるようになった！」
「給食の時間が待ち遠しくなった！」
こんなことばが聞こえるようになりました。そして、笑顔が増え、学習への活力も生まれていました。なんといっても、食べ物はエネルギー源ですもの。

食べ物を食べることは、まだ見ぬ世界を知ること。食べたことのない食材、いつもと違う味付け、どれも自分の知らないことに出会うこと。未知のものを飲みこむには大人の励ましが必要です。

小学生をしても、このようにまだまだ大人の手が欠かせません。

さて、離乳食を始める小さな子どもたち。

初めて食べ物を口にするとき、食べさせようとする親の姿を通して、食べようとする食材一つひとつを通して、この世界を知り、学んでいます。

離乳食を始めているお家の皆さま、どうか200年前の古びたことばと思わずに「のみこむ」、少し意識してみてくださいね。

皆さまがお子さんに食べさせていることは世界を知らせ、それをのみこむお手伝いをしているのです。愛情をかけるというのは食べたくないから食べなくていいのではなく、食べられるように配慮していくこと。親の知恵を同時に子どもたちは学んでいます。

食べ物を「のみこむ」ように、世界を受け入れ、そこから新しい知恵が生まれていきます。拒んでしまってはもったいないのです。

ちょっとポケットに入るサイズの情報、
「子育てポケットノート」。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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代表　川上淳子

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