2023.01.31子育てポケットノート
子育てポケットノートvol.297~自己肯定感を育成するには~
こんにちは。
Edu Support Office 川上淳子です。
Photo@鹽竈神社
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1月27日に訪れた鹽竈神社。
池が凍っている中、噴水していて寒々とした風景でした。この氷が融ける頃、新入学が目の前に迫っていることでしょう。
本日は「教員が取り組んでほしい入学準備の話」、「自己肯定感」についてです。
自己肯定感の低さは先進国でも一番低い結果が出ています。詳しくはコチラ☞特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~|平成26年版子ども・若者白書(概要版) – 内閣府 (cao.go.jp)
調査そのものは2013年、もう9年も前のこと。コロナ禍を経た現在はもっと低い傾向かと思います。
最近、「ありのまま」という言葉を聞くようになりました。この風潮に疑問を感じることがあります。何をしていても許される、自分が感じたままを口にする、思うままに振舞うことをありのままと受け取られがちだからです。
学校生活では「ありのまま」と対立する場面が多く起きます。
例えば、文字は筆順通りに書くのが正解、自分の書きたい順では丸にはなりません。学習や集団生活はこのような決まり事の連続。ありのままで過ごしてきたお子さんにとって学校は辛い場所になりがちです。
では、この「ありのまま」と「決まり事を守ること」をどう折り合いをつけていったらよいのか。そのことと自己肯定感はどう繋がるのかを考えていきましょう。
まず、社会には家族のルールと異なるルールがあることを知ることではないかと思います。子どもたちは家族独自のルールで育てられ、それがすべて当たり前と思っていますし、親御さんは子どもの思いを叶えてあげがち。
けれども、家族以外の人、たとえば叔父叔母の家族、ママ友の家族などと触れ合う中で微妙な違和感を抱くことがあります。それは自分の家族のルールと違うからです。違和感を感じ取りながら、自分がどうしたいのかを言葉に表していく経験を重ねていってほしいのです。
それに加えて、泣かずに、駄々をこねずに、黙り込まずに、カーテンの陰に隠れずに、押したり叩いたりせずに自分の意志を伝えられるようにしていくことです。
世の中、すべて自分の思い通りに進まないことの方が多いもの。子どもたちが成長していくとき、ありのままの自分でいるだけでは通用しないことなんて山ほど起きます。
「今、水が飲みたいの」「おじいちゃんちのゲームを貸してほしいの」「外で遊びたいの」
こんなふうに自分がどうしてほしいのかのリクエストをひとこと言うことが大切です。
「そうか、水が飲みたかったんだね。」
「ゲームがしたかったんだ、いいよ。」
と周囲からOKを出してもらえることもあるでしょう。わが家と同じように勝手に動き回ったり、モノをさわったり、冷蔵庫を開けたりすることは許されないのです。
「これはお姉ちゃんのだから、お姉ちゃんに聞いてみてね。」
と、もう一度自己表現を要求されたり、全くダメと言われたりすることもあることでしょう。
自己肯定感の育成には人とのやり取りが欠かせません。その様子を周囲の大人が、
「言えてよかったね。」
「貸してもらえてよかったね。」
「また今度にしようね。」
と言葉に表して認める、褒める、なだめることによって子どもたちは強く賢くなっていきます。
お子さんが自分の言葉で人に伝えるまで、くれぐれも親御さんがお子さんの思いを代弁しないよう心がけてみてください。
子どもたちは言葉を獲得していく途上にあります。ありのままをよしとするのではなく、自分の言葉で社会と接していくことによって自分に自信をもてるようになり、そのことが自己肯定感の育成に繋がっていくのです。
地域にとって異なりますが、教室に30人近い子どもたちが集まったとき、いつも黙っているだけでは息苦しくなります。乱暴を振るって来る子に「やめて」と主張し、安心安全な生活を自ら紡いでいくためにも入学前からの言語活動が重要なのです。
皆さまがお子さんへの言葉かけで気を付けていることはどのようなことでしょうか。
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Edu Support Office
川上 淳子 | 【公式】日本アンガーマネジメント協会 (angermanagement.co.jp)
元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
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