2021.01.06子育てポケットノート
子育てポケットノートVol.193~教え子からの年賀状~
こんにちは。
Edu Support Office 川上淳子です。
Photo by Pixabay
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昨年は誕生したお子さん、今年は1歳になったお子さんの写真を添えた年賀状が届きました。
小学校1年生当時、小さくて細くて、教室のさまざまな音に怯えていたYさんからです。
もう20年以上前のこと、通級学級担任の私と難聴学級の担任がいる机のそばが彼女の居場所でした。
難聴の障がいを持ちながら、小学校は地元、中学校からは聴覚支援学校へ進学。支援員になられたお母様と最後の勤務校でご一緒できたので、Yさんの就職後の様子を聞いていました。
「Yがパソコンを自分で買ったんです!」
「Yが自動車の運転免許を取りました!」
「Yが自分で自家用車を買いました!」
聴覚障害のお子さんのお手本、目標ともなるべき快挙を次々と成し遂げている姿に、嬉しさと共にいつも驚かされていました。
子どもってすごい!
どこにその生命力が秘められていたのか、小さかったときからは想像もつかないほどエネルギッシュにダイナミックな人生を歩んでいました。
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私は小学校6年生のとき、下の妹を病気で亡くし、いつも妹のことが頭から離れずにいました。
ジブリアニメの『もののけ姫』。主人公のアシタカがエボシと対峙した場面で、アシタカが自分の身の上を語ったときに、エボシがこう言い放つのです。
「賢しらに(さかしらに)僅かな不運をみせびらかすな!」
エボシの言葉はあたかも自分に投げつけられているようで、耳が赤くなるぐらい自分を恥じました。私の不運など「僅かな」ものなのに私はその悲しみから抜け出せずにいたのだと。私が出会った子どもたちは私が遭遇した以上の悲しみを抱えていたのに、その子たちへの配慮が十分ではなかったことも恥じた理由でした。
そんな教師の非力さを物ともせず、障がいを負いながら、不運とも愚痴らず、みせびらかすこともなく、寡黙に生きてきたYさんの軌跡にただただ脱帽するばかりです。
コロナ収束の暁には訪問してみたいと思っています。
今日のアイキャッチ画像のように小さいときの姿でちょこんと現れそうですが、もう立派なお母さんになっていることでしょう。
私はというと、白頭に至るのを美容室の先生にきれいに染めてもらって20年前の姿で出かけなければと、そんな算段をしています。
註:賢しらに(さかしらに)利口そうに、でしゃばること
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一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定
アンガーマネジメントトレーニングプロフェッショナル
https://www.angermanagement.co.jp/facilitetor/2115
元国立大学法人宮城教育大学教育学部非常勤講師
元宮城県公立小学校教員
Edu Support Office
代表 川上淳子
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