2020.08.02子育てポケットノート
子育てポケットノートVol.166~児童福祉法等改正法施行~
目次
- ○ 親は体罰を許される?
- ○ 法律施行までの国際的な潮流
- ○ 今、児童虐待が止まらない
- ○ 子育ての困り感は何か?
- ○ まとめ
親は体罰を許される?
親だからさ、わが子、叩いてしつけするの、許されるでしょ。
こんな意見をよく聞きます。
それ、許されないです、2020年4月からは。
2019年(令和元年)6月、児童福祉法等改正法成立。
「親権者等は児童のしつけに際して体罰を加えてはならない」ことが法定化され、
2020年(令和2年)4月、施行されました。
2020年の年明けから私たちは先行きの見えない新型コロナ禍のただ中にいましたので、この法律施行を知らない方が多いかもしれません。
2020年度はいくつかの重要な法律が施行され、オリンピックとともに、日本社会が舵を大きく切る指針が出される年でした。オリンピックはご承知のとおり延期となってしまいましたが、将来にわたって節目の年になるはずでした。。
2020年6月
改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)
大企業施行(中小企業施行は2022年4月施行)
2020年6月30日
あおり運転厳罰化のため、「妨害運転罪」創設
子育て、働き方、自動車運転という日常に深く関わることに国として厳しい姿勢を示していることを心強く感じます。
子育てに関する詳細は厚生労働省公式サイトをご覧ください。
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体罰等によらない子育てのために ~ みんなで育児を支える社会に ~
法律施行までの国際的な潮流
日本で法律ができていく過程には国際的潮流、そして、国際社会からの要請がありました。
すでに40年以上前から海外では児童の虐待防止に動いていました。上記の文書から抜粋してみました。
1979 年
世界初、スウェーデン:体罰禁止
1990 年
発効した児童の権利に関する条約に基づき、58 か国(2019 年 10 月末現在)が子どもに対する体罰を法律で禁止していま す。
1994年
我が国も児童の権利に関する条約批准。
1998年
国連児童の権利委員会から、数回にわたり、体罰禁止の法制化とともに啓発キャンペーン等を行うべきとの見解が示される。
2019 年6月
児童福祉法等改正法成立
体罰が許されないものであることを法定化。
2020 年4月1日
児童福祉法等改正法施行
ようやく日本で子育てのあり方について法律で示すことになったのです。21世紀に入り、20年もの年月が経っているのです。
今、児童虐待が止まらない
「みんなで子育て」という新しい社会のあり方が示される背景には、深刻な児童虐待の現状があります。
児童相談所での虐待相談の内容別件数の推移を見ますと、児童虐待が明らかに増加していることがわかります。
平成 2年:1,101件
平成30年:159,850件
平成の30年間で約150倍の増加。
しかも、相談として児童相談所に上がってきたものですから、水面下にはもっと多くの虐待が潜んでいることは容易に想像できます。
詳細は下記データをご参照ください。
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子育ての困り感は何か?
法律の施行によって子育て中のご両親が救われることを願ってやみません。
一方で、法律は子育ての困り感に寄り添えるものだろうかとも思います。
子育ての困り感は何でしょうか。
泣きやまない。
食べてくれない。
寝てくれない。
夫が手伝ってくれない。
もうないないずくし。。
母親のイライラが我慢の限界に達しても、だれにも手助けの声を上げることができない状況。。
乳幼児のお世話には時間も手間もかかりますし、思い通りには動いてくれないのが人間の子どもです。
イライラに任せて、ついついわが子を叩いてしまう。
自分の感情を発散させようとわが子にモノをぶつけてしまう。
罰として食事を与えない。
厚生労働省公式サイトには児童虐待をいち早く見つけ、通報するしくみがあります。
家庭のしつけとして当たり前のことが、周囲の人から見て子どもの命が脅かされていると判断されることが起きるということです。
まとめ
「みんなで子育てを」という一方で、虐待を見たら通報。。
やはり保護者の一挙手一投足へ批判的なまなざしが注がれがちではないかと心配しています。
法律の整備は有効だとは思います。
しかし、わが子への暴言暴力を行使してしまう親御さんの心身の状態がどうなっているのか、周囲が気づいていくしくみも求められるのではないかと思います。
わが国では、妊娠から出産、子育ての過程で子どもを守るしくみが充実しています。
妊娠中の健診
出産後の両親学級
1か月から6歳までの健康診査
そして、この間に保護者自身の感情のコントロールができるような機会を設けることが必要です。既存のシステムに感情のコントロールを学ぶプログラムを組み込むことができることでしょう。
新型コロナ感染拡大による経済的な問題、水害等の自然災害も相まって待ったなしの現状です。
法律の施行後も小さな命が奪われるニュースは残念ながらゼロにはなっていません。
それどころがこれまで聞いたこともないような育児放棄でわが子を落命させた事実に驚きが隠せないほどです。
一人一人が何か一つでも実行できたらと願っています。
どうしたの?
何か手伝える?
子育ての困り感でいっぱいいっぱいになっている保護者の方々には、肩の荷を下ろせるひとこと、温かなまなざしが一番の贈り物になるのではないでしょうか。
そして、保護者の皆さまには、わが子は自分の所有物ではなく、「一人の人格として尊重される存在」という認識を持ってほしいと願っています。
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