2019.10.02働き方ポケットノート
未来を創る~パワハラを受けない仕事の仕方~
目次
- ○ パワハラで悩み苦しんでいる人へ
- ・1.パワーハラスメントは定義されている
- ・2.パワハラを受けやすい人、受けにくい人
- ・3.パワハラを受けない仕事の仕方は「質問」から
- ・4.言葉の使い方を変えると、パワハラを受けない循環が生まれる
- ○ まとめ
パワハラで悩み苦しんでいる人へ
ネットで「パワハラ」「自殺」を検索すると、いくつもの案件を見つけることができます。
法律の整備をもってしても人の命を救えない現状が垣間見えてきます。命そのものに関わらなくとも、働いていれば上司からの指導に自己嫌悪に陥ったり、やる気をそがれたり、自暴自棄になったりすることはどなたも経験済みのことでしょう。
今、パワハラで悩み苦しみ、困っている方々に改善の手立てをご提案できないかと考えています。
仕事は自分自身の人生そのものです。家庭にいる時間よりもはるかに長い時間を過ごしているのですから、仕事が楽しく充実していたら最高のものになります。
反対に、仕事での成果が上がらず、やりがいを感じない、上司からの叱責で心を病んでしまってはせっかくの人生も台無しです。
そもそもパワハラとは何かを知り、パワハラを受けない方法を知っていたら、ご自身の未来をよりよいものに創ることができます。
今回は個人へ向けて、パワハラを受けない仕事の仕方をご提案いたします。次回は職場での取り組みも考えてみます。
1.パワーハラスメントは定義されている
すでにご存じのことと思いますが、平成24年、厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」は、次のようなものをパワハラ行為と位置づけています。
【パワハラの6類型】
◾身体的な攻撃(暴行・傷害)
◾精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
◾人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
◾過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
◾過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
◾個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
資料:「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」(平成24年3月)
また、同省指定法人「21世紀職業財団」は、以下のようなものをパワハラと定義づけています。
◾公開叱責(多数の面前での叱責)、人格否定
◾感情を丸出しにするモンスター上司、給料泥棒呼ばわりする
◾退職勧奨や脅し
◾無視の命令
◾困難な仕事を与えて低評価にする、過剰なノルマ
◾パワハラの訴えを聞き流す
つまり、以上の行為のいずれかを日常的に受けていたら、それはパワハラとなります。 自分自身の能力や職務遂行の可否、ミスなどとは全く関係ありません。
「見える化」できてこそ対処、対応ができます。もやもやした状態こそ避けなければならないのです。
下記のURLでご自身がどのようなパワハラを受けているかを客観的に捉えてみましょう。
↓ ↓ ↓
2.パワハラを受けやすい人、受けにくい人
同じ職場の中に、パワハラを受けやすい人、受けにくい人がいます。
それはなぜでしょうか?能力?性格?見た目?上司への取り入り方の上手下手?一体何でしょうか?
以前、研修で次のワークを経験しました。講師が用意したメモ用紙を受講生一人一人の背中に貼り、じゃんけんで勝った人が相手に1回質問し、自分のメモ用紙に書かれている言葉(答え)を当てるというワーク。じゃんけんで質問権が与えられるので運もついて回ります。
受講生は6人、次々と答えを引き出した行く中、一人の男性と私は時間切れでミッションクリアできず。じゃんけんが弱く、質問の回数が少なかったのも一因(言い訳です)。
なぜ答えがわかるように私の答えに答えてくれないんだろう?本気でイライラしました。
しかし、このワークでは、私の考えとは全く逆のことが試されていたのです。それは「正解を導く質問ができているかどうか」。早く答えを見つけていた人は質問が的確。クリアできなかった私の質問力は、ほぼゼロだとわかりました。
この経験から、自分の質問の精度を上げることがパワハラを受けない仕事の仕方ではないかと考えました。
もちろん、理不尽な怒りをぶつける上司、謂われない差別を行う上司はいます。しかし、そのような上司がいるとわかって対処した方が自分自身の心身の安全安心を守ることができます。
パワハラを受けにくい人は圧倒的な質問力で、求められている仕事の内容を正確に引き出し、迷うことがないので短時間で仕事をやり遂げているのです。
3.パワハラを受けない仕事の仕方は「質問」から
時として、上司の指示が曖昧なことがあります。
自分と上司の認識が違い、仕事を遂行した後に上司が曖昧な指示を出していたことがわかったとします。すると、上司からの猛烈な攻撃に遭うことは必須。上司は間違いを認めるはずもなく、部下を責めるのです。
自分の仕事に意欲をもち、職場内で協調しながら相互尊重のコミュニケーションができるようスキルを高めていきましょう。
今回は、日々の職場で起こり得る場面を想定して、すぐに使えるヒントをご紹介します。
【頭括法で相手の都合を聞く】
「〇〇社との商談の件でご相談があります。5分いただけませんか?」
用件の内容、相談に要する時間、まず初めに伝えましょう。
忙しい上司がイライラするのは要領が悪いから。相談に至った経緯を初めに入れてしまうため、「今、何を求めるために会話しているか?」とイラつくわけです。
頭括法で切り出しましょう。上司が答えやすく、判断しやすいよう提示します。その結果、上司から「YES」がもらいやすくなり、相談がスムーズにできます。この5分のチェックバック(内容の確認)で仕事が進めやすく、また、成果に繋がります。
【チェックバックを】
「報告書はAの書式でよいでしょうか?」
頻繁に起きている事例。社内の最新情報を知っている上司は新A書式、部下は情報を知らず、旧A書式。旧Aの書式で提出した部下を激怒する上司、的確な指示を出さなかった上司へ恨みつらみを抱く部下。
こうした出来事は避けたいものです。
上司から指示されたら、内容を確認し、正しい情報の確認と共通理解を図るためにチェックバックをします。パワハラから身を守るためにも重要な質問を心がけていきましょう。
【自分一人で頑張らず、サポートを得る】
「これまでの経緯についてまとめます。〇〇に関しては担当者のサポートを得てから検討します。」
仕事ができることを「自分一人で」と考える人が多いのではないでしょうか。自分一人で頑張ることで部署内の協力や協調が生まれなくなります。一人でやって失敗するのではなく、「ここはサポートしてほしい」と言えることも大事です。上司から与えられたことを「すべて担う」という思い込みを一度なくしてみましょう。何ができて、何ができないかを言葉にして伝えることが大事なことです。
4.言葉の使い方を変えると、パワハラを受けない循環が生まれる
仕事をする上で言葉は重要です。「自分のために時間を使っていただいている」というスタンスを常に忘れないようにしたいものです。
【クッション言葉】
「厳しいのは承知の上ですが」、「お忙しいところ申し訳ありませんが」と話の冒頭に用いる言葉です。
状況に応じた正しいクッション言葉を使えるように心がけましょう。自分が正しいと思ったことを言うだけでは相手には通じません。
【依頼する言い方】
自分の考えを相手に伝えやすくするために「~して頂けませんか」という依頼形を使いましょう。相手にYES/NOの答えを委ねることで、よりスムーズなやり取りができるようになります。
【NOの部分を正確に】
「○○については賛成です。しかし、△△の点についての検討がやや足りないかと思います。それについて、私はこう考えています。」
反対意見を述べる時は、賛成・共感できるところを具体的に伝えて、部分的に異なる意見を持っているところを正確に伝えます。相手は「受け止められた」という実感をもち、「それでは改善を」と仕事を展開させることができます。
自分の思い込みを排し、言葉の使い方を変えるとパワハラを受けない循環が生まれていきます。
まとめ
パワハラは、現在、国を挙げて取り組む最重要課題となっています。
一人一人が自己の能力を遺憾なく発揮できることが人生百年時代の働き方の大きな原動力に繋がります。パワハラを受けずにご機嫌に快適に仕事ができたら、生産性は間違いなく上がります。
それを可能にする職場の改善に向けて、個々人の努力が欠かせません。パワハラを受けない仕事の仕方を学ぶことでパワハラを生まない職場が実現できる一手になります。特に、言葉遣い。自分の言った言葉一つで成果を生んだり、生まなかったり、分水嶺となる点です。
未来を創る、仕事の仕方のヒントにしていただければ幸いです。
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